── 「心BEAMS」まずタイトルが暖かいな〜と思いました このタイトルへの想いを聞かせてください
「バンド RABUTORA で12年ほどやってきたこだわりに、アルバムタイトル 漢字一文字にすることがありました。
そこから、解放されてみようと思ったんです。
こんなにわかりやすいタイトルをつける事に戸惑う自分も実は居て、、、笑
へそ曲がりな自分からも解放されてみようと思いました。
ストレートにこのアルバムの一曲一曲に込めた思いが、聴く人の心に突き刺さるように願いを込めて、心BEAMS としました。」
── 子どもたちと一緒に音楽を楽しんでいる川村さんの姿が印象的ですが、川村さんの音楽を受け取っているのがお母さんたちやお子さんたちであることは今までの音楽活動とは違ってきてると思うのですがそれに対してどんな気持ちですか?
「誰もが体験してきている幼少期の記憶、親との関わりといったもの。
そこにフォーカスを当てた歌を歌うと子供が興奮したり恥ずかしがったり、お母さんが涙してくれている姿を見せてもらいました。
今までの音楽活動では自分の歌いたいことをずっと歌ってきたと思うのですが、今回は人が求めている歌を探り歌う活動にして見たんです。
歌詞の意味をわかっていない子供達が口ずさむ事も多く、歌いながらその子が成長して行く先で歌詞の意味に気づいていくことがあるだろう。その歌がその子の言動を変えたりもするだろう。
そう思うと、作った音楽と1人の子供が長い時間を一緒に過ごしている気がして、やりがいを感じますね。」
── 1曲1曲がメッセージも音楽もとても普遍的で魅力的な贅沢なアルバムだなーと思いました。
是非1曲づつの作曲エピソードなど聞かせてください
★謝る勇気
「友達とケンカして謝るに謝れない日々が続いた、勇気を出して ごめん、と口にしてみると相手は、俺も謝りたかったんだ、と言ってくる事が殆どだった子供の頃。
意地を張って謝れない事が生んだ苦しい時間はムダだったんだなって気づいてほしいなーって思って。
大人になると、意地を張って一度の喧嘩から、ずーーっと、縁を切った関係を続けていく人もいたりする。
自分から謝る事が大事で、さらには 何事も自分から動き出すことがカッコいい。 まっすぐな気持ちをそのまんまにメロディックなエモパンクに仕上げました。
ベースの篠崎はこの曲のイントロのデケデケデケというフレーズを神フレーズだと言った。その気持ちわかるな〜〜。」
★ココロコロコロ
「いさみ式ドロップスとして全国を巡る。
ブラザートムさんプロデュース、ハートフルファミリー主催 ぼっちぼっちフェスの新章として始まる、「心満タン祭り」 のテーマとして作った。
日本の暮らしは昔と変わったようで、隣人との関わりが薄まり頼れる人が少ない、孤独に抱える悩みを持っている人が多い、家族じゃないから相談できることもあると思うから、地域一帯でみんなでみんなを見守れる環境になってほしい。ぼっちぼっちフェスの背景にそんな想いがあることを知った。
誰かの悩みをだれか1人の人間で解決するのではなくて、みんなでできることを少しずつの力を合わせることさえできれば、、、本当にそうだ。。
なにより、こんなにみんなに支えられているんだ、と感じることができたとき人は強く居られるのかもしれない。
振り返れば俺もそうだった。
初めて、地元新潟から東京へ飛び出し一人暮らしをして、久しぶりに地元へ帰るときに面白い気持ちになった、同じバスに乗っている人達はみんな、同じ郷土料理を食べ
て、喋り方も一緒。
なんだ俺たちチームじゃん、て思った。
軽く話しかけていいんじゃん、だって仲間じゃん! って。
心が満たされて丸くなったら転がって、辺り構わず色んな人に触れ合おうとするんだろうなーーー
この歌を聴く人の心が少しでも満ちてほしいから、あったかくてあかるい、かといって、タダでは終わらない コード展開と、嘘みたいな歌い方で、ちゃんと困惑させる俺らしさを盛り込めたこの歌で子供達とめちゃめちゃに踊りたい!!!」
★エビフラワー
「お母さんは、大抵 子供の裸の写真を隠し持っている、、のではないか? と、ゆう想像で作った歌。
子どもの頃お母さんの財布を の中身を恐る恐る覗くと、お金は殆ど入っていなくて、不安になり、ついにはそこに隠され
ていた自分の生まれたばかりの裸の写真を見つけてしまう、、
これは、自分の空想の話だったのか、、
毎回ライブの時に自分のエピソードのように話していたら、事実だった気もしてきて自分に洗脳されてしまっている(笑
もしそんな事実があったら、可愛くて、ホロっと涙ぐましいから、嘘でもいいじゃん、なんて思って歌っていたけど、
世の母さん達 実際これにかなり近いことをしているようで、エピソードの段階で涙する母さん続出。
サビでは子ども達と一緒に踊る簡単な振り付けもあって、子供は楽しい、お母さんは泣いてる、、
という、おもろい空間が浮かび上がる。これまたヘンテコな曲。
貧乏くさいフォークソングになりがちなところを、都会的なサウンドアプローチで、バランスを取ってみました。」
★マンビキはダメよ
「万引きは、まあ、適度に経験していた方が良い気がしなくもないです、、やってみて、スレスレで、バレなかった時、
逃げ切れた時、バレていた時の事を想像します、親の期待を裏切ったかもしれない事に、自分の愚かさを感じます。
感じました。。。ハイ。
ただ、スリルも、繰り返せば慣れてしまい、よりでっかいスリルを求めてしまうでしょう。
店のものならまだしも、友達のものに手を出したら、、、まずい。友達を失ってしまう。
面白い歌だなくらいに思ってもらって、体がこの歌を覚えてしまった時、きっとどこかで、お前そんなこともできねえの
か、ビビりだなーー、なんて言われて、焚きつけられた時に冷静になって思い留まる、そこに ひと役買うことができるか
もと思ってます。願ってます。」
★消えゆく公園
「子供の時遊んだ公園が無くなったり、公園はあっても砂場なんか、どこもネットがしてあって遊べなくなってる光景を
目にします。でも、当時遊んだ記憶は残ってて、やっぱり、大切な記憶や、楽しかった記憶は残りますよね。
楽しい思い出を記憶の中に残してあげたい、先に死んでいくことが決まっている、おっさんとして、あんな遊びを習った、
あんな音楽を演奏してくれた、と、世の中楽しいぞと刻んであげたい。
最後の歌詞、作り続けていくよ、、誕生日のイブイブイブイブとか、、 が凄い好きだ。
イブイブイブイブ 連ねれば連ねるほど、大事な日から、手前に重要さが薄くなっていくわけだけど、そんな前日の前日
の前日の、、、って日でさえ、大切なんだよ。って、親が子供に思うのかなってね。」
★椅子取りゲームで人生ゲーム
「歌詞は譲り合えーって歌ってるんです。これも、子供達は歌詞なんか聞かないんだけども(笑)
必死にこの曲で、実際椅子取りゲームを、何度もやってきました。
必死に、椅子を奪い合って、負けて、お母さんのとこに走り、悲しみに打ちひしがれる子供達。(可愛いーー!)
これこそ、いつのまにか歌詞が頭に入って、歌い出した時に、この歌で僕たちは、椅子を奪い合っていたのか、、と、
愕然として欲しい。遊び心満載の一曲です。
曲の最後には、一体どんな曲だったっけ??
と、忘れてしまうくらい、スケールのでっかいオペラみたいなメロディーのボーカル多重録音がきます。
ここを大人が必死に歌いながら、椅子取りゲームの勝者を賛美して、プレゼントを渡す。ここまで通して一つのエンター
テイメントなんです。周りの大人が巻き込まれてきて欲しいなー
しっかりエスコートする大人のパフォーマンスでで子供達に思い出深いワンシーンを作りたいです。」
★クイズ式絵描き歌
「子ども達と音楽で遊ぶ。
ぼっちぼっちフェス に、音楽で加わることとなり、絶対やるべき、マストアイテムだと思った、絵描き歌。
川村式は、これでもかとかっこいい、ハードサウンド絵描き歌です!!
歌詞に基づいた、線を描き、一つずつモチーフを、形成していきます。
わかったと思う人から、手を上げて声を出してアピール。
ライブでは、子供達の声が物凄い壁となり、バンド演奏も聞こえなくなるほど盛り上がる。
その場にいる全ての人が超笑顔という最高な一瞬なんです。
音源を聴いて答えがわかると、ライブで、考えることがなくなるので、答えは実は、、、聴いてのお楽しみ。
まさか、音源でそんなアプローチいいのーーー??という、新発想で遊んでみました(笑!!
絵描き歌にしておくには、もったいないメロディー、、、、そう思わせてこそ。川村式。
絵を描くための歌詞なので、音声だけで聞くとめちゃめちゃな歌詞なわけですが、聴ける。いい曲っす!!」
★みずてっぽう
「今の時代がどれだけ平和か、それを伝える歌をいつか
作って欲しい。そう言われたあの一瞬が忘れられない。
靖国神社にお参りに連れて行って貰った時だったんです。
我々が今平和に暮らせているのはいろんな過去があるん
だと、、、、教えてくれた。だから全てに感謝なんだと。
おっきくて、複雑で、自分には難しすぎるテーマだった。
2018年 岡山の大豪雨による災害。
真備町に支援物資を持っていく機会が訪れた。車で運転
で、、神奈川から岡山、、えーーーーー、、なんて実は
思った俺。。2トントラックにたんまりの水、扇風機を
積んで向かった。
着いた先で、頼まれたのは、被害にあった子供達と遊ん
で欲しいとのこと。
その時、みずてっぽう を、人数分与えられ、20人くらいで、びしょびしょになった。
そして岡山からの帰り道のトラックの中、ふと、感じたのは、当時、命をかけて戦うことを美徳とされ、文句の一つ言え
ず、それぞれ、想いを胸にだけ抱え、祖国の家族、恋人には、心配しないでくれと、誇りに思って飛んでいきますと、
手紙に綴った、若者たちが、こんな光景を見たら何て思うのかな、、、、って。
人を痛めつける道具を、模倣したもので、水を発射して打ち合い、大人と子供が遊んでる。
もしかしたら、怒るのかも、もしかしたら、羨ましがるのかも、、
そしてこの光景こそが、例え、災害にあった子供達だとしても、命は守られ、夢中で遊んでいられる。
平和 そのものなのかもと。そんな体験からやっと、作れた歌。
この歌わせてもらったとき、知らない おばあちゃんが、ありがとね、と、涙ながらに伝えてくれたことがあった。
聞いた子供達が何を思うか、この平和を当たり前ではない特別なものと思って、生きていくことができたらいいな。」
★花マルな未来
「東京 八王子にある、寺子屋風 スペースを大切にしている 花マル塾。
机を用いず、授業中も、子供達にディスカッションして答えを導かせる指導法を取り入れている。
生徒に上から教えるよりも、横にいて一緒に答えを探したい。同じ方向を向いてサポートしたい。
そんな粋な塾 へ、依頼され作った。塾のテーマソング。
こんな先生と出会えた子どもたちは幸せだろうな、きっと同じ思いで子ども達と接してくれてる先生達もどこかにいるよ
ね。
イントロのピアノは、自分で弾いている。指一本でな。
軽快なリズムとメロディアスな さび、フックとなるセクションも忘れず。
教育の名にふさわしい真摯なサウンドに仕上がった!」
★心一つ音頭
「これも、心満タン祭りでは、欠かせない曲となるかと思う。全編振り付けあり。
元気に踊る子どもは、誘拐されてステージに上げられる。ステージとフロアの垣根をかき消す、パーティソング盆踊りロ
ック!!
盆踊り太鼓リズムに、ロックンロールを絡めるのには、ちょっと苦労したけど、両方のいい部分がお互いの良さを引き出
し合うレベルまでアレンジが洗練できた。
一つの街で育ったみんななんだし、お互いの価値観は、違うんだから、みんなでアイデアを出し合って、街をよくしてい
こうぜ!という法被姿でひたすらハッピーに、盛り上がる歌。
盆踊りの歌なのに、クリスマス感さえ漂う。シーズンレスなものすげえ曲になってしまった。
子ども達とぐちゃぐちゃになって踊るこの時間がたまらない」
Album 心BEAMS member.
Guitar.伊藤つばめ(Tokyo inc.)tr2.3.5
Bass. 篠崎哲也 tr2.3.4.5.6.7.8.9.11
Drums. 杉本哲也 (RABUTORA)tr2.6.7.8.11
Drums.ダーマ(T.D.Y) tr3.5.9.
Chorus.金子未佳 tr4.7.9.
Beatmake.Hailisics (Tokyo inc.)tr4.
Remix. Hailisics (Tokyo inc.)tr12.
Sound produced/Song writing/
Guitar/Vocal/other Instrument
by 川村いさみ
Masterd by 大島久明
Mixed by TAN(PLUS+FACTOR studio)
Art Director by 腰塚光晃
Photo by 東 花行
Published by TCPRO INTERNATIONAL
Produced by mayumi nishida